せどりって、売れれば売れるほどお金が増えていくと思っていたのに…なぜか現金がどんどん減っていってます。
私も最初は同じでしたよ。帳簿上はしっかり利益が出てるのに、なぜか口座残高が減っていく。「どういうこと!?」って混乱しましたが、原因は単純で「利益」=「現金が増える」ではないんです。
この記事はこんな人に向けて書いています
- 利益はでているのに「なぜかお金が増えない」と感じている人
- クレカ仕入れでキャッシュが回っていないと感じている人
- 資金繰りを安定させて、せどりで安定的にお金を増やしていきたい人
せどりを始めたばかりの方の中には、「今月は利益が出ているはずなのに、なぜか手元の現金が減っている?」と疑問に思ったことはありませんか?
これは、キャッシュフロー(現金の流れ)と利益の違いを理解していないことが原因です。
よくSNS等で「今月の利益〇〇万円!」といった投稿を見ますが、「キャッシュフロー」と「現金」の違いを理解していないと黒字倒産なんてことになりかねません。
この記事では、せどり初心者が陥りがちな帳簿上の利益はでているのに資金繰りで苦しくなる理由を、私自身の体験をもとに初心者に向けてわかりやすく解説します。
- キャッシュフローの基本的な考え方
- 利益は出ているのに現金が減っていく仕組み
- キャッシュフロー改善のための3つの工夫
目次
キャッシュフローと利益の違い
まず、キャッシュフローと利益の違いを理解しましょう。
- キャッシュフロー=実際に入金されたお金-実際に支払ったお金(現金ベース)
- 利益=売上-仕入原価-経費(帳簿上の数字)
たとえば、帳簿上で今月10万円の利益が出ていたとしても、その売上が入金されていなければ、キャッシュは増えないということになります。
さらに、クレジットカードで仕入をして、支払いが先行すれば手元の現金は減ってしまうことになります。
売上の入金が間に合わず、手元に現金がなければ、黒字なのに資金が足りない・・・そんな状態に陥ってしまいます。
これがキャッシュフローの落とし穴です。
私がせどりを始めて1年くらいは、まさにこの状態。例としてせどりを始めて数か月の実際のキャッシュ状況を紹介します。
月 | 売上 | 仕入 | 利益 | 実際の 入金 | 実際の 支払い | キャッシュ |
---|---|---|---|---|---|---|
2023年12月 | 453,445 | 353,326 | 100,119 | 1,996 | 0 | 1,996 |
2024年1月 | 381,544 | 678,677 | -297,133 | 292,675 | 353,326 | -60,651 |
2024年2月 | 340,973 | 251,646 | 89,327 | 216,083 | 678,677 | -462,594 |
2024年3月 | 588,588 | 555,194 | 33,394 | 237,293 | 251,646 | -14,353 |
2023年12月にクリスマス商戦の勢いに乗り、大きな売り上げを上げることができたので、2024年1月は大きく仕入れをして利益がマイナスになっていますが、それ以外の月は利益プラスになっています。
ところがキャッシュを見ると、初月以外は常にマイナス。キャッシュは減る一方です。
「利益がでなくても、将来の利益のために在庫を積み増す仕込みの時期」と自分に言い聞かせて、クレジットカードの引き落としに合わせて、毎月数万円を追加で資金投入していました。
「手元のお金が減っていく原因を見直さず、売り上げさえ伸ばせが何とかなる」と、キャッシュを意識せずとにかく仕入れに走っていた時期でした。
売り上げや利益に着目されがちなせどりですが、それでは本当にお金が増えるとは限らない。
着目すべきは「キャッシュ」ということを学びました。
せどり初心者が陥りやすい3つのズレ
利益は出ているのに、なぜかお金が減っていく・・・
その原因は、せどり初心者が見落としがちな「3つのズレ」にあります。
- 仕入れ日とカード引き落とし日のズレ
- 販売日とAmazon入金日のズレ
- 仕入れ金額と入金金額のズレ
このセクションでは、それぞれのズレがどうキャッシュフローに影響するのかを解説します。
仕入れ日とカード引き落とし日のズレ
クレジットカードで仕入れを行うと、購入日と実際の支払い日(引き落とし日)にズレが生じます。
たとえば4月に仕入れた商品でも、引き落としは5月末。(クレジットカードの種類にもよりますが・・・)
このタイミングのズレを意識せずに仕入れを続けると、支払い時に口座残高が足りず、カードの引き落としができない・・・なんてことにもなりかねません。
なんとなくお金の流れが見えにくくなるのは、この仕入日とカードの引き落とし日のズレが原因です。
販売日とAmazon入金日のズレ
Amazonでは商品が売れても、すぐに口座にお金が入るわけではありません。
Amazonでは「注文→出荷→購入者の受取→入金処理」という流れになっており、実際の入金までは数週間のタイムラグがあります。
私の場合、仕入れから入金までの流れはだいたいこんな感じです。
仕入(購入)~商品が届くまで | 約3日 |
自宅での保管・検品など | 約3日 |
FBA納品~出品まで | 約2日 |
出品~販売まで | 約14日(かなり早い方です) |
販売~売上確定まで | 約7日(せどりを始めた頃はもっと長くなることも) |
売上確定~Amazonの入金処理 | 約7日(14日サイクルの中間想定) |
→ 合計:39日 |
例えば、4月1日に仕入れて、運よくすぐに商品が売れたとしても、実際の入金は5月10日頃になります。
販売のタイミングやAmazonの入金サイクル次第では、クレジットカードの引き落としに入金が間に合わないことになります。
「黒字なのに資金ショート」となるのは、キャッシュの流れを把握できていないことが原因です。
仕入れ金額と入金金額のズレ
仕入れた商品がすぐに売れれば問題ないですが、思ったように売れないこともあります。特にせどり始めたての頃はアカウントがまだ育っておらず、カートも取りにくいので、思ったように売れてくれないのが実情です。
商品の回転が悪いと、仕入れのお金が出ていくばかりでなかなか手元に現金が返ってこないという状況に陥ります。
たとえ利益率が高くても、売れる数が少なければキャッシュは増えません。
例えば
- 1000円で仕入れて、1150円で販売
- 利益は150円(Amazon手数料などはここでは除外)
この1150円を次の仕入れに回して、少しずつ利益を重ねていく。
これが、「せどりの複利的な成長」の基本的な仕組みです。
でも、初心者のうちはこの流れをうまく回せず、「売れる前に次を仕入れてしまう」ことが多くなりがちです。
「利益商品見つけた!」「今のうち仕入れておかないと!」
そんな気持ちが先走って、回転数を超える量を仕入れて、売り切れないほどの商品が在庫として残る。
こうして、こうしてキャッシュがどんどん減っていき、口座残高が不足して追加で資金投入という事態に陥ります。
私も初めの頃は仕入れが楽しくて、利益が取れる商品を見つけると、どんどん仕入れをていました。
ある時、ミニ四駆のパーツが安く出ていました。利益率も高く、回転も悪くなかったので「今買わないと損だ!」と一気に大量仕入れ。その後も、相場より安めに販売されているのを見ると、「他のセラーに買われる前!」と焦って、実際の販売ペースを無視してどんどん買い増し。
結果、数百個単位で在庫を抱え、1年経った今もポツポツ販売している状態です。
この経験から「せどりは利益より回転数の方が重要」と認識しました。
キャッシュフローを改善する3つの工夫
私がせどりを始めたばかりの頃、売上や利益は出ているのに、なぜか手元の現金がどんどん減っていく。
その理由がわからず、クレジットカードの支払いのたびに毎月追加で資金を投入していました。
「なんで利益が出ているのに、お金が足りないんだ?」
そんなモヤモヤを抱えながら続けていたある時、ふと気づいたんです。
「利益ベースじゃなく、“現金ベース”で考えないとダメなんじゃないか?」
この視点に切り替えてからは、仕入れや在庫管理のやり方を見直し、追加の資金投入も不要になりました。
ここでは、実際に私が取り組んで効果があったキャッシュフロー改善の3つの工夫をご紹介します。
- 売上の2週間先を読む台帳を活用
- 高回転・小ロット仕入れで回収速度UP
- 入金額以上に仕入れない
売上の2週間先を読む台帳を活用
Amazonの入金サイクルは14日ごと。
そのタイミングを意識せずに仕入れをしていると、気が付かないうちに資金ショートしてしまうことがあります。
そこで私は「この日にいくら入金がある」を見える化した台帳を作成し、クレジットカードの引き落とし金額と照らし合わせて管理するようにしました。
私の場合は、商品単ごとに
- 仕入日、仕入れ金額
- 販売日、販売金額
- amazonからの入金金額
などをExcelに記録して、売上・利益だけでなくキャッシュの動きも一目で把握できる台帳を作っています。
かなり複雑な表ではありますが、これを作ったことで「現金がいくら残っていて、いついくら入ってくるのか」が分かりやすくなり、追加資金を投入することがなくなりました。

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高回転・小ロット仕入れで回収速度UP
一度に大量に仕入れるのではなく、多品種・少量をこまめに仕入れて早く売り切る。
この「高回転・小ロット」のスタイルを意識することで、キャッシュの回収スピードが格段に上がります。
特に初心者のうちは、まず1,2個だけ仕入れて販売する「お試し仕入れ」が効果的。
販売までに、どれくらいの期間がかかるかを実際に確認してから、「売れる分だけ」を追加で仕入れることで、資金の回転効率が大きく改善されます。
私の場合、「前月の販売数が多い!」「利益率が高い!」などの商品を見つけると、つい大量に仕入れたくなる衝動にかられます。
でも、そこはグッとこらえて、初めて仕入れる商品は、できるだけ送料がかからない範囲で、最小限の数量に抑えるようににしています。
実際に出品してみると「販売数が多い=自分も売れる」とは限りません。
思ったより売れなかったり、突然Amazon本体が出品してくるというケースも良くあります。
特に、Amazon本体は非常に安い価格で販売してくるため、商品の回転を考えると、こちらは赤字覚悟で処分せざるを得なくなることも。
そうした「せっかく仕入れたのに赤字で販売」という事態を防ぐためにも、私は小ロット&分散仕入れを基本スタイルにしています。
入金額以上に仕入れない
せどりでは、「利益が出るか」以上に、「現金が残るか」を意識することが重要です。
特にクレジットカード払いの場合は、手元のキャッシュが減らないため、ついつい「今月はあまり使っていないつもり」でも、翌月になってみたら「引き落とし額がヤバい!」という事態になりがちです。
だからこそ、仕入れの上限は「入金予定額の範囲内」で設定するのが鉄則。
台帳等で入金見込額を予測した上で「今月はあと〇万円まで仕入れられる」とキャッシュベースで予算管理をすることで、資金ショートのリスクを大きく減らすことができます。
さらに、仕入れから実際の入金は1ヶ月以上かかります。
できれば、仕入れ金額は手元資金の1/2~1/3程度の抑えると、より安心して資金を回すことができます。
私の場合、月の初めにだいたい15~20万くらい(前月に売れた商品の補充+新規商品)をまとめて仕入れています。これは、クレジットカード引き落としまでなるべく時間的な余裕を確保するためです。
その後は、Amazonの入金予定額をみながら、週1回程度のペースで「売れた分だけ」を補充をして、最終的に月50万程度の仕入れに抑えています。
このペースにしてから、口座残高が減っていくということはなくなりました。
ちなみに、「キャッシュフローが大事なのはわかったけど、どんな基準で仕入れる商品を選べばいいの?」という方は、私が実際に使っている【仕入れ判断のルール】をこちらの記事でまとめています。

まとめ|利益より現金!キャッシュフローを制する者がせどりを制す
せどりを始めた頃、私も「利益は出てるのに、なぜか現金が減っていく…」という状況に悩まされました。ですが、その原因はとてもシンプルでした。
それは・・・
「帳簿上の利益」と「実際の入金・支払いタイミング」のズレ。
売り上げが立っていても
- 商品の回転が遅い
- Amazonの入金が先延ばしになる
- クレジットカードの引き落としが迫っている
といったことが重なると、あっという間にキャッシュが枯渇してしまいます
私自身も、以前はカードの支払いが迫るたびに追加資金を投入していましたが、以下のような工夫を取り入れてからは、キャッシュが安定し、資金ショートの不安がほとんどなくなりました。
- 売上の2週間先を読む「入金台帳」の作成
- 高回転・小ロットの「売れる分だけ仕入れ」スタイル
- 入金見込みに応じた「キャッシュベースでの仕入れ上限設定」
「キャッシュが命」これはビジネスの鉄則ですが、せどりにも100%当てはまります。
利益が出ているのに資金が回らない、という状態は誰にでも起こり得ます。
でも、現金の動きを意識し、仕入れをコントロールする力を身につければ、初心者でも安定してせどりを続けていくことができます。
焦らず、無理なく、お金が回る仕組みづくりを意識して、
ぜひ自分のペースでせどりを成長させていってくださいね!
この他にも、「投資」や「せどり」に関する初心者向けの解説記事をまとめてあります。
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この記事は、「ちょうどいい自由」を求めて資産形成中の普通の50代サラリーマン「Kei」が、自身の実体験をもとに執筆しています。
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