売れ残った在庫ってどうすればいいんですか?赤字になっても売るべきでしょうか?
私は、基本的には想定通りに売れない場合は「赤字でもいいからとにかく売る」ことを基本にしています。赤字で売ることを「損切り」っていうんだけど、この損切りがお金を増やすうえではとても大切です。
この記事はこんな人に向けて書いています
- 売れ残り在庫に悩んでいるせどり初心者
- 損切りすべきか迷っている人
- 回転率を意識してキャッシュを増やしたい人
せどりをしていると、仕入れた時の想定通りに売れない商品は必ず出てきます。
そのとき大事なのが、「いつまで売れるのを待つか?」の判断です。
私の場合、「想定していた販売期間を超えたとき」は損切り検討のタイミングと決めています。
- 少数多品種で1個2個残っているだけなら放置でもOK
- 縦積み(同じ商品を複数仕入れ)している場合は要注意
なぜなら、回転しない在庫にお金が縛られてしまうからです。
資金が固定されてしまうと、新たな仕入れもできず、キャッシュフローが悪化します。
赤字で商品を売ることが、なぜお金を増やすうえで重要になるのか、この後、具体的な例を踏まえて解説していきます。
- 損切りの判断タイミングとその根拠
- 損切り後に現金を回すメリット
- 回転率を活かして「損して得する」考え方
目次
【具体例】損切りと再投資の比較シミュレーション
想定条件
仕入れ価格 | 1,000円/個 |
仕入れ個数 | 10個 |
想定販売価格 | 2,000円/個 |
2,000円で売れた時の1個当たりの入金額 | 1,200円/個 |
〃 想定利益 | 200円/個 |
値崩れ後の販売価格 | 1,500円/個 |
1,500円で売れた時の1個当たりの入金額 | 700円/個 |
〃 想定利益 | -300円/個 |
実際の販売状況
- 3か月経過時点で、2,000円で売れたのは3個のみ
- 残り7個は売れずに値崩れ。現在の販売価格は1,500円。1,500円で販売すると入金額は700円となり、1商品当たり300円の赤字
- 最安値付近にはライバル多数。売り上げはいいが、最安値付近のセラーの在庫がなくなり、相場が戻るまでには更に半年くらいかかる見込み(相場が戻るのを待って販売する手法を「寝かせ」といいます)
「寝かせ」と「損切り+再投資」の比較
項目 | 寝かせ | 損切り |
---|---|---|
売り上げ | 2,000円×3個=6,000円 | 2,000円×3個+1,500円×7個=16,500円 |
利益 | 200円×3個=600円 | 200円×3個+(▲300円)×7個=▲1,500円 |
入金額(現金) | 1,200円×3個=3,600円 | 1,200円×3個+700円×7個=8,500円 |
利益では「寝かせ>損切り」となっていますが、入金額は「損切り>寝かせ」になっています。
見込み通りに相場が戻れば「寝かせ」の方が、売り上げ・利益ともに損切利を上回りますが、あくまでも見込みで相場が更に悪くなる可能性もゼロではありません。
別記事でも書いていますが、せどりで大切なのは「利益(帳簿上の数字)」ではなく、「現金(実際の数字)」です。
寝かせをして資金を拘束されるとキャッシュフローが悪化し、最悪の場合クレジットカードの支払いに間に合わず、資金ショートにもなりかねません。
こうした事態を防ぐためにも、想定している販売期間を超えた場合は、積極的な損切りによる資金回収が重要なのです。
ちなみに|損切りで回収した資金を再投資すると?
損切りの回収資金(8,500円)と寝かせの回収資金(3,600円)の差額(4,900円)を、利益率15%の別商品に再投資したと仮定します。
仮に半年間(=相場が戻るまでの期間)に、複利で3回転(2か月ごとに1回転)させることができたとすると
4,900円×(1+利益率0.15)^3=7,452円
つまり、損切りして現金を確保し、それを短期間で再投資すれば、最終的に入金ベースで7,452円を回収できる計算になります。
なお、寝かせで半年に得られる金額は
7個×1,200円=8,400円
最終的な金額ではやや届きませんが、一か八かで相場が回復するのを待つのではなく、積極的に損切りして現金を動かす経験は、今後せどりを続けていく上では、必ず必要なスキルになります。
ちなみに|寝かせが有効な4つのケース
寝かせには在庫管理力・相場観・保管スペース・資金的余裕が必要です。
特にキャッシュに余裕がない初心者は「寝かせによる資金拘束=機会損失」になりやすいので注意が必要ですが、寝かせが有効なパターンもありますので紹介しておきます。
季節商品やイベント商品
- 例:クリスマス、ハロウィン、バレンタイン、入学卒業関連など
- 一時的に相場が下がっても、来年の同じ時期には需要が戻る可能性が高いため、寝かせが有効です。
限定・廃盤商品
- 例:コラボ商品、販売終了したキャラクターグッズ、期間限定カラーなど
- 供給が完全に止まり、時間が経つとプレミア価格になる可能性がある商品は、寝かせる価値があります。
値崩れ後にライバルが撤退しやすい商品
- 例:大型商品や送料が高い商品、在庫保管にコストがかかる商品
- 他のセラーが撤退していく中で、時間差で自分の出品だけが残り、価格が回復するケースがあります。
メーカーや市場のトレンド変化が読めるとき
- 例:新モデルが出て旧モデルが一時的に下落 → 数か月後に安定して値戻り
- トレンドやサイクルを読めるジャンル(家電・模型・ホビーなど)では、一時的な値崩れの後の反発を狙う寝かせが有効です。
まとめ|損をして得をとる思考がキャッシュを守る
せどりを続けていると、思うように売れずに在庫が残ってしまうことは避けられません。
もちろん、「相場が戻るまで寝かせて待つ」という選択肢もありますが、資金に余裕のない初心者にとっては、リスクの高い不確実な戦略になりがちです。
相場によっては、さらに傷を広げる結果にもなりかねません。
だからこそ、「想定販売期間を超えたら損切りして現金化」という意識が大切です。
回収した現金を使って、回転率の高い商品に切り替えていくことで、キャッシュフローが改善されていきます。
「損して終わり」ではなく、「損をきっかけに現金を動かし、経験と次の利益につなげる」
この発想が、せどりを長く続けるうえで欠かせない考え方だと思います。
【関連記事はこちら】
ぜひチェックしてみてください。
この他にも、「投資」や「せどり」に関する初心者向けの解説記事をまとめてあります。
よろしければ、こちらから他の記事もチェックしてみてください。
この記事は、「ちょうどいい自由」を求めて資産形成中の普通の50代サラリーマン「Kei」が、自身の実体験をもとに執筆しています。
⇒運営者プロフィールはこちら