初心者のためのヒント

“メーカーの者です”とメールが来た!Amazonせどり初心者が注意すべきポイントと対応法

せどり始めたばかりなんですが、急に“メーカーの者です”ってメールが来ました。これってヤバいやつですか?

Kei

うん、それね……私も過去に何回か来たけど、だいたい嫌がらせの可能性が高いと思う。私が実際に受け取ったメールの中身や、どう対応したのか紹介するね

この記事はこんな人に向けて書いています

  • 出品した商品に対して、知らない人から“メーカー関係者”を名乗るメールが来て焦った人
  • 「知的財産侵害→アカウント停止」というSNS情報に焦っている人
  • 本当にメーカーなのか?嫌がらせなのか?判断に迷っている人

Amazonで出品してると、セラーセントラルを経由して様々なメッセージが届きます。
商品に関する質問、発送の確認、クレームなど・・・
時には、「メーカー関係者を名乗る人物」からの、仕入れ先の確認のメールが届くこともあります。

私がせどりを始めたばかりの頃、この手のメールを受け取ったときは、正直めちゃくちゃ焦りました。

SNSやネットで「知的財産侵害の連絡 ⇒ アカウント停止」という話をたくさん目にしていたため、「まさか、せどりを初めたばかりでいきなりアカウント停止?」と、本気で覚悟しました。

何とかアカウント停止を回避するため、ネットで情報を調べても、対応方法がなかなか見つからず・・・
何日かかけて、最終的にセラーセントラルのフォーラムで、同じようは相談スレッドを見つけ、そこに書かれていた方法を試すことで事なきを得ました。

今では冷静に判断できるようになりましたが、当時は本当に怖かったです
この記事では、私が実際に受け取ったメール内容と、どのように対応したかを紹介します。

同じように不安を感じている方の参考になればうれしいです。

この記事を読んでわかること
  • 「メーカーを名乗るメール」のテンプレ的な特徴と目的
  • 本物の知財クレームと、嫌がらせの違い
  • 初心者が焦らず対応するための具体的な対処法

「メーカーを名乗る怪しいメール」ってどんな内容?

以下が実際に私に届いたメールになります。①~⑦は説明のために追記しています。
メーカー名や日付は伏せていますが、それ以外はすべて原文のままです。

平素より大変お世話になっております。①○○○○(メーカー)様Amazonでの運用を代行しております野口と申します。
この度は、○○○○様の商品をAmazon内でご出品されている件で連絡させていただきました。急なご連絡で大変恐縮ではございますが、下記ご確認のほどよろしくお願いいたします。
○○○○様では現在、一部商品において、Amazonをはじめとする各種ECモールにて海賊版や転売品が多数出回っており、対応に甚大なコストを要している状況です。その対策といたしまして、正規流通品を確保し海賊版への牽制とするために、お取引先さまには自社サイト以外でのECサイトの出品を一律お控えいただくことにご協力いただき、ECモールに出品された海賊版の特定、疎明や顧客対応を含む対処の迅速化・円滑化を推進し、商品イメージの維持を図っております。
仕入れ先様より許可いただいて販売されている場合は、○○○○様の卸業者様であるかの確認をさせていただきますのでお手数ですが、③〇月〇日までに本メールに仕入れ先様の情報をご返信いただくか、④仕入れ先様経由で○○○○様へご報告をいただけますと幸いです。
Amazonでの販売の際のメーカー保証の状況を確認させていただくため、商流の明確化にご協力をお願いいたします。⑥仕入先様を明かせない場合は現在出品者様にてAmazonに出品されております、○○○○様の商品に関して、取り下げをお願いしたく存じます。
上記いずれかのご対応をいただけない場合、Amazon側に貴社が販売している商品が「Amazon出品規約・コンディションガイドライン」に基づいているかどうかの調査依頼をさせていただきます。Amazon側が調査し、「Amazon出品規約・コンディションガイドライン」に基づいていないと判断された場合に、⑦対象商品のみならず貴社がAmazon内で出品している商品すべてが出品停止となる可能性がございますので、ご確認いただき次第すぐにご対応いただけますと幸いです。
Amazon内で○○○○様の商品に関してご購入者様とトラブルが発生しているため、このような対応となり申し訳ございません。ご理解いただきたく存じます。よろしくお願い申し上げます。

届いたメールの怪しいポイント7選

メールを受け取った当時は焦ってしまいましたが、今見るといくつか違和感を感じる箇所があります。
私が感じた違和感を以下に解説します。

違和感①:メーカー代理人を名乗っているのに、メーカーに“様”をつけている

もし本当にそのメーカーの関係者(社員や委託代行)であれば、自分の会社(あるいは自分のクライアント)に対して「○○○○様」とは書かないはずです。

社内文書で「弊社」「当社」、あるいは外部向けでも「○○○○株式会社」などと書くのが一般的。

これを「○○○○様」と敬称付きで書いている時点で、「そのメーカーとは本当は関係がないのでは?」という疑いを抱きました。

違和感②:「運用代行」と言いつつ、送信者の正体が不明

メールでは「○○○○様のAmazonでの運用を代行しております野口と申します」と書かれていますが、“野口”が何者なのかまったくわかりません

本来なら、「○○代行株式会社の野口」などと名乗るはずですし、署名に会社名・電話番号・住所などの記載があるのが普通です。

それが一切なく、「野口です」だけでは、正体が不明すぎて、信頼できる企業関係者とは到底思えません。

違和感③:仕入れ先の開示を求めてくる

メールでは「仕入れ先様の情報をご返信ください」と書かれていますが、仕入れ先の開示は義務ではありません

正規のルートで仕入れた商品であれば、販売に問題はないのが基本です。
仕入れ先を開示させるような要求は、ライバルセラーが“仕入れ元を割り出そうとしている”可能性もあるため、非常に注意が必要です。

違和感④:仕入れ先経由での仕入れ報告

メールには、「仕入先様経由で○○○○にご報告を」と記載がありますが、いったい何を、誰に、どんな形で報告するのかが不明確です。

そもそも、これ、普通のビジネスでも、Amazon出品においても極めて異例な依頼です。

なぜなら、仕入れ先がいちいちメーカーに対して「この人がうちから買って転売してます」と報告することはまずありません
卸業者や問屋は、仕入れた先が誰でどう売るかまでいちいち報告しませんし、そんな義務もないのが通常です。

さらに言えば、その「仕入れ先」がメーカーとどのようにつながっているかすら、こちらからは確認できません
このような「あなたではなく、仕入れ先から報告してもらえ」と迫る構成は、非常に不自然で、仕入れ先の身元を割ろうとしているようにも感じました

違和感⑤:メーカー保証がどうこうと書いてあるが、保証の有無は出品禁止の根拠ではない

「メーカー保証の状況を確認するために商流の明確化を…」とありますが、メーカー保証がないこと自体はAmazonでの販売違反ではありません

Amazonは「並行輸入品」や「保証なしの商品」も販売を認めているため、保証を理由に出品停止を求めるのは筋違いです。

そもそも、「自社サイト以外でのECサイトの出品を一律お控えいただく」としているのに、メーカー保証の有無を理由に出品の正当性を問う流れは、文脈上も論理的にも矛盾しており、不自然さが際立ちます。

違和感⑥:出品取り下げ or 開示の“二択”を迫ってくる構成

「仕入れ先を明かせないなら出品を取り下げてください」という文面は、典型的な圧力メールの構成です。

この手のメールは、返答を引き出したり、ビビらせて出品を取り下げさせる目的で使われることがあります。

本当に問題がある場合は、Amazonを通じて正式な申し立てが届くため、この時点では返信も取り下げも不要です

違和感⑦:「対象商品だけでなく、すべての商品が出品停止になる可能性」と脅してくる

Amazonの出品停止や規約違反の判断はAmazonが行うことであり、外部の人間(しかも正体不明)が勝手に「こうなる可能性がある」と断定的に言うのは不自然です。
本当に問題がある場合、Amazonから正式な「知的財産権侵害の申し立て通知」や「パフォーマンス通知」が届きます。

このように、「全部の商品が出品停止になるかもよ?」と不安を煽ってくるメールは、初心者をビビらせて出品を取り下げさせようとする“圧力テンプレ”の可能性が高いです。

こういった言い回しには、落ち着いて対処することが大切です。

本当にAmazonの規約上問題ないの?

Amazonでは、「正規のルートで仕入れた商品であれば出品して問題ない」とされています。
つまり、せどりのように小売店から仕入れた商品でも、規約違反ではありません。

私自身、セラーセントラルに問い合わせましたが、 以下のような回答がありました。

仕入れ先の制限について確認したところ、恐れ入りますが、Amazonでは仕入れ先までは関与していないことをご了承くださいませ。
つきましては、どこから仕入れても規約違反とはなりませんが、出品許可申請や真贋調査が必要となった際、 要件に沿った納品書など必要書類の提出をできないと出品自体できかねる可能性がございます。

Amazonサポートの回答

このように、Amazonとしては「仕入れ先はどこでもよい」という立場です。

ただし、いざ真贋調査などが入った場合には、納品書や領収書など“正規の証明書類”が求められることがあります。

本当に危険なのはこんなケース

ここまで解説してきたようなメールの多くは、ライバルセラーの嫌がらせの可能性が高く、冷静に対処すれば問題ありません。
ですが、実際にAmazonの規約に違反し、アカウント停止のリスクがあるのは、以下のようなケースです。

これらに該当する商品については、初心者のうちは取り扱わないことを強くおすすめします。

  • 偽物・模倣品
    → 知的財産権(商標権・著作権など)の侵害に該当し、即アカウント停止になる可能性
  • 並行輸入や海外の正規ルート不明な商品
    → 本物だったとしても、証明できなければ「真贋調査」で引っかかるリスク有
  • 「新品」と言いつつ開封済みや箱なし
    → コンディション違反。購入者からのクレームやアカウント評価低下リスク有
  • 本当に正規代理店が販売権をもっている独占商品(Apple、任天堂など)
    → メーカーがAmazonと提携して出品を制限しているケース有。
      無許可出品で即アカウント停止のリスクも。

まとめ|「怪しいメール」に動じないために知っておきたいこと

せどりを始めたばかりの頃、私も「メーカーを名乗る人物」から突然メールが届き、正直かなり焦りました。
SNSやネットの情報では「知的財産侵害=アカウント停止」と書かれていることも多く、恐怖感ばかりが先に立っていた記憶があります。

しかし今振り返ると、メールの文面にはいくつもの違和感があり、冷静に読み解けば本物かどうかを見抜けるヒントがいくつもあったと感じます。

✅ 最後に伝えたい4つのポイント

  1. 「メーカーを名乗るメール」は、競合セラーによる嫌がらせの可能性大
  2. 正規ルートで仕入れた商品であれば、Amazonの規約上は基本的に出品OK
  3. 怪しいメールにはすぐ反応せず、一度立ち止まって文面を読み直すこと
  4. 「出品停止」「アカウント削除」などをちらつかせてくるメールほど要注意

メールを鵜呑みにして出品を取り下げてしまうと、ライバルセラーの思うツボになってしまう可能性もあります。
大切なのは、知識と経験をもとに、自分の判断軸を持つこと。

この体験と情報が、少しでもあなたの不安を減らし、冷静な対応につながればうれしいです。


【関連記事はこちら】

ぜひチェックしてみてください。


この他にも、「投資」や「せどり」に関する初心者向けの解説記事をまとめてあります。
よろしければ、こちらから他の記事もチェックしてみてください。


この記事は、「ちょうどいい自由」を求めて資産形成中の普通の50代サラリーマン「Kei」が、自身の実体験をもとに執筆しています。
⇒運営者プロフィールはこちら

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA