Amazonせどりの確定申告|年をまたぐ売上・費用はどう処理する?
Amazonせどりをしていると、「12月に売れたのに入金は翌年1月」という取引が出てきます。
原則として、売上は実際に入金された日ではなく、売上が発生した年に計上します。
年をまたぐ取引では「今年の取引なのか、翌年の取引なのか」を確認する必要があります。
特に、55万円・65万円の青色申告特別控除を受けるために複式簿記で帳簿をつけている場合、年末時点の売掛金を正しく整理しておく必要があります。
私も最初は、
「12月に注文されたから12月の売上?」
「でもお金が入ってくるのは1月だから翌年に計上?」
「Amazonの場合は、まとめて入金されるけど、どうやって仕訳すればいいの?」
と迷いました。
国税庁の情報などを調べると「現金主義」「発生主義」といった考え方はでています。
ただ、Amazonのどのレポートを使って、実際にどう処理すればいいのかまでは、なかなか分かりませんでした。
そこで、この記事では私が実際の帳簿作成で行っている、年をまたぐ取引の処理方法を紹介します。
※この記事では、商品売上やAmazon手数料など、その注文に紐づく売上・費用をまとめて「取引」と表記します。
💡年またぎの売上は出荷日を基準に分け、その取引に紐づいて年内に確定している費用も当年分として整理しています。
年末の取引については、トランザクションレポートとFBA在庫出荷レポートをAmazon注文番号で照合し、12月31日までに出荷された取引をその年の取引として処理します。
この記事は、私がAmazonせどりで実際に行っている帳簿管理の一例です。
税務上の処理は取引内容や事業の状況によって異なるため、個別の判断が必要な場合は税務署や税理士等に確認してください。
年またぎの売上・費用は出荷日を基準に仕訳する
私はAmazonで販売した商品の売上については、出荷日を基準に計上する年を分けています。
また、その取引に紐づき年内に発生して、金額が確定しているAmazon手数料なども、当年分として整理しています。
国税庁の所得税基本通達でも、商品の販売における「引渡しの日」を判定する方法として、出荷日・着荷日・検収日など合理的な日を継続して使う方法が示されています。
※国税庁HP「所得税基本通達 36-8の2」
たとえば、
| 注文日 | 出荷日 | Amazonからの入金 | 売上を計上する年 |
|---|---|---|---|
| 12月28日 | 12月30日 | 翌年1月 | 当年 |
| 12月31日 | 12月31日 | 翌年1月 | 当年 |
| 12月31日 | 1月2日 | 翌年1月 | 翌年 |
という考え方です。
実際に入金された日ではなく、取引が発生した時点を基準に計上する考え方を「発生主義」と言います。
私の場合は、その取引が発生した時点を判断する基準として「出荷日」を使っています。
普段のAmazonの取引はマネーフォワード連携で仕訳を半自動化
私は普段のAmazonでの取引については、マネーフォワード クラウド確定申告のAmazon連携機能を使って半自動で仕訳をしています。

Amazon連携機能を使った普段の取引の仕訳については
こちらの記事で詳しくまとめています▼
Amazon連携やクレジットカードのデータとマネーフォワードを組み合わせることで、数日かかっていた1年分の帳簿整理を、ほぼ1日で終えられるようになりました。
【広告】マネーフォワードを使って、帳簿作成を効率化した方法については
こちらの記事で紹介しています▼
年末はFBA在庫出荷レポートで出荷日を確認
普段はAmazon連携を利用して仕訳していますが、年末だけ注意が必要です。
マネーフォワードに取り込まれるのはAmazonのトランザクション情報です。
翌年1月初めのトランザクションレポートには、12月中に出荷した取引が含まれていることがあります。
これをそのまま普段通りに処理すると、本来その年に計上する取引を翌年分として計上してしまいます。
実際の私の取引を確認したところ、トランザクションレポートの日付と出荷日には約7日のズレがありました。
そこで、12月下旬~翌年1月のトランザクションレポートに記載されている取引については、FBA在庫出荷レポートとAmazon注文番号で照合し、実際の出荷日を確認しています。
その中から12月31日までに出荷された取引を特定し、その年の取引として処理します。
トランザクションレポートに記載されている日付は、トランザクションのステータスが「支払い実行済み」となり、費用を差し引いた売上金がAmazonの出品者残高に反映された日です。
商品の実際の出荷日ではありません。
年末年始のトランザクションレポートを確認する
まずは、年をまたぐ期間のトランザクションレポートを確認します。
出荷日を確認する対象は、翌年1月初めのトランザクションレポートに記載されている取引です。
- セラーセントラルの「メニュー」→「ファイナンス」→「支払い管理」を選択
- 「過去の決済情報」タブを選択
- 年をまたぐ決済期間の「決済レポートV2」をダウンロード
※XMLではなく「決済レポートV2」を選択します

ダウンロードした決済レポートV2はtxt形式となっていますので、Excelなどで開いて内容を確認します。

Excelでtxtファイルを読み込むときは、「データ」→「テキスト/CSVから」で読み込み可能です。
FBA在庫出荷レポートで12月出荷の取引を確認する
次に、FBA商品の出荷日を確認するため、12月1日~12月31日のFBA在庫出荷レポートをダウンロードします。
年をまたぐ取引で確認したいのは「12月31日までに出荷されたかどうか」なので、FBA在庫出荷レポートは12月分だけあれば確認できます。
- セラーセントラルの検索窓に「FBA在庫出荷レポート」を入力して検索
- FBA在庫出荷レポートを開き、レポート期間を「12/1~12/31」に設定します
- ダウンロードをリクエストして、作成されたレポートをダウンロード

FBA在庫出荷レポートでは、主に次の2項目を確認します。
✔️Amazon注文番号
✔️出荷日(shipment-date)

FBA在庫出荷レポートの日時はGMT(グリニッジ標準時)で表示されるため、日本時間で確認する場合は+9時間の補正が必要です。
特に12月31日の取引は、+9時間すると翌年1月1日になる場合があるため注意してください。
Amazon注文番号で2つのレポートを照合する
あとは、FBA在庫出荷レポートと決済レポートV2をAmazon注文番号で照合します。
照合した結果、FBA在庫出荷レポートに同じ注文番号があれば、その取引は12月中にFBAから出荷された取引だと確認できます。

上の図では、「vlookup/xlookup」を使って決済レポートV2の「adjustment-id」列に、FBA在庫出荷レポートの出荷日を表示させています。
※1つの注文が複数商品・分割発送になっている場合は、注文番号だけではなくshipment-idやSKUも確認します。
この列に日付が入っている取引は12月中にFBAから出荷されているので、当年の取引として処理します。
一方、「#N/A」となったものは、12月分のFBA在庫出荷レポートに同じ注文番号がないため、12月出荷分には含めず翌年の取引として処理します。
ただし、ここで注意が必要です。
決済レポートV2の「fulfillment-id」がMFNとなっている取引は自己発送です。
自己発送の商品はFBA在庫出荷レポートには記載されないため、出荷日を自分で確認する必要があります。
空欄になっているものについては個別に注文画面などから確認します。
つまり
✔️AFN(FBA)で出荷日あり → 12月出荷分なので、当年の取引として処理
✔️AFN(FBA)で#N/A → 出荷日を確認。1月出荷なら翌年分として処理
✔️MFN(自己発送) → 自己発送の出荷日を確認して判断
✔️空欄 → 個別に注文画面などから確認
となります。
決済レポートV2にFBAの出荷日をまとめて表示させて、12月31日までに出荷された取引だけを抽出することで、その年に計上する取引を確認できます。
この方法なら、1月のトランザクションを1件ずつ注文画面で確認する必要はありません。
私の場合、年末の自己発送は休日設定を使って発送を止めているため、年をまたぐ取引で実際に確認するのはほぼFBAだけです。
休日設定の方法や休止設定との違い、使い分けについては
こちらの記事で解説しています▼
年をまたぐ取引の仕訳の考え方
12月31日までに出荷された取引を特定できたら、次はその取引を当年分として仕訳します。
ここで注意したいのは、売上だけを当年分として計上するのではなく、その取引に紐づくAmazon手数料などもあわせて整理することです。
Amazonでは、商品が売れると商品代金だけでなく、販売手数料やFBA手数料なども発生します。
決済レポートV2から12月出荷分に該当する取引を抽出し、
✔️売上は「売上高」
✔️Amazon手数料などは「支払手数料」
✔️売上高-支払手数料は「売掛金」
として仕訳しています。
決済レポートV2からその年の売上と手数料を集計する
年をまたぐ取引の仕訳をするため、決済レポートV2から売上とAmazon手数料をそれぞれ集計します。
決済レポートV2では、取引の内容が「amount-description」に記載されています。
amount-descriptionの意味と仕訳は次の通りです。
| 仕訳 | amount-description | 内容 |
|---|---|---|
| 売上高 | Principal | 商品代金 |
| 売上高 | Tax※ | 商品代金の消費税 |
| 売上高 | Shipping | 配送料 |
| 売上高 | ShippingTax※ | 配送料の消費税 |
| 売上高 | PromotionのShipping | 配送料の割引 |
| 売上高 | TaxDiscount | 割引に対する税額調整 |
| 支払手数料 | Commission | Amazon販売手数料 |
| 支払手数料 | FBAPerUnitFulfillmentFee | FBA配送代行手数料 |
| 支払手数料 | ShippingChargeback | 配送に関するAmazon手数料 |
| 支払手数料 | ShippingHB | 配送に関するAmazon手数料 |
amountはプラス・マイナスで記録されているため、金額をそのまま合算します。

例えば、上の取引の場合
売上関連の合計 1,309 + 131 + 70 + 7 – 70 – 7 =1,440円
Amazon手数料の合計 -413 – 158 = -571円
となり、Amazonからの入金額は
1,440円+(-571円)= 869円
となります。
この869円がAmazonから後日受け取る売掛金になります。
仕訳は次のようになります。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 売掛金 | 869円 | 売上高 | 1,440円 |
| 支払手数料 | 571円 |
なお、返品が発生している場合は、RefundとしてPrincipalのマイナスやCommissionの返還、RefundCommissionなどが記録されるため、通常の注文とは分けて確認しています。
実際のレポートでも、返品時にはこれらの項目が別に記録されていました。
このように、12月出荷分の注文だけを抽出し、売上関連とAmazon手数料をそれぞれ合計すれば、年末に計上する売上・費用・売掛金を確認できます。
同じように、12月出荷分以外の取引は翌年分として整理し、帳簿に記帳しておきます。
売掛金の処理
年末に計上した売掛金は、翌年Amazonから入金されたときに消し込みます。
| 借方勘定科目 | 金額 | 貸方勘定科目 | 金額 | 摘要 |
|---|---|---|---|---|
| 普通預金 | 869 | 売掛金 | 869 |
これで、年をまたぐ取引の仕訳が完了です。
まとめ|普段の仕訳は半自動、年末は出荷日を確認
Amazonせどりの年度またぎは、最初は少し分かりにくいですが、私が実際にやっている作業はそれほど複雑ではありません。
普段はマネーフォワードを使って仕訳しています。
年末だけ12月分のFBA在庫出荷レポートをダウンロードして、Amazon注文番号でトランザクションレポートと照合します。
そして、12月31日までに出荷されたFBA商品を当年の取引として処理する。
基本的にはこれだけです。
確定申告のときに1年分をまとめて整理すると大変なので、普段の仕訳は会計ソフトを使ってできるだけ簡単にして、年末だけ必要な部分を確認する。
いろいろ試した結果、今はこの方法で帳簿を作っています。
この記事は、私がAmazonせどりで実際に行っている帳簿管理の一例です。
税務上の処理は取引内容や事業の状況によって異なるため、個別の判断が必要な場合は税務署や税理士等に確認してください。
FAQ
Q.12月に売れて1月に入金された商品は、どちらの年に計上すればいいですか?
A.私は出荷日で判断しています
12/31までの出荷日であれば当年の取引
1/1以降の出荷日であれば翌年の取引として整理します
Q.決済レポートV2に記載の日付は出荷日とは違うのですか?
A.違います。
決済レポートV2に記載されている日付は、出荷日とは異なります。
私の場合は出荷日と約7日のずれがありました。
Q.出荷日を確認するにはどうすればいいですか?
A.FBAから出荷されている取引については、FBA在庫出荷レポートで確認できます。
自己発送の取引については、自己発送で出荷した日を確認します。
Q.FBA在庫出荷レポートは何か月間ダウンロードできますか?
A.FBA在庫出荷レポートは過去18か月分まで取得できます。1回に指定できる期間は最大31日間です。
年をまたぐ取引の出荷日を確認するためであれば、特に問題はありません。
Q.年末に残った売掛金は翌年どうやって消しますか?
A.翌年1月にAmazonから入金されたタイミングで普通預金/売掛金 の仕訳を入れて消し込みます。
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